今年はマリンバと炭琴の演奏。演奏者が紹介されたように、なるほど備長炭を使っただけに、その音色はクリスタルで「すみきった」ものでした。
小学生のころ布に包んだ木琴をかかえて学校へ行ったことなどを、同年輩の者同士懐かしんだものでした。
演奏の合間に、盲導犬に関わる繁殖犬・子犬(パピーウォーカー)それぞれの大変さや心温まるお話を伺いました。
その後、盲導犬ユーザーのNさんのスピーチがありました。このNさんのパワーには常々敬服するばかり!
今回も、関東圏から新幹線を乗り継いで会場の西宮まで出て来られました。
パートナーの盲導犬と一緒に北海道から九州まで、日本中何処へでも出て行かれる。
Nさんに言わせれば、「海に囲まれた日本、人に尋ねたり、協力を得さえすれば 何も怖がることはない。とにかく声を出していけば誰かが手を貸してくださる。じっとしていては新しい出会いや発見はない」と言われる。
いつもユウモアたっぷりのお話に楽しませてもらうのですが、今回も涙が出るほど大笑い!その雰囲気を再現することはかないませんが、Nさんのおしゃべりになったことの幾つかをひろってみます。
盲導犬と生活している中で大切にしていることは「グッド・グッド」と褒めること。褒められることによって盲導犬はますます良いお仕事をするようになる。
人間同士の生活だって同じ。誰だってホメルところはあるはず。それをうまく見つけて褒める。奥さんに「今日のエプロンはきれいだね」であっても良いじゃないですか。
盲導犬と駅へ向かう道、シルバーカーを押したお婆さんが「危ないから一緒に行ってあげましょう」と声をかけてくださる。常なら家の人に「一人で外へ出ない方が良いですよ」と言われているような人かもしれない。声をかけてもらったことでもあり、そのお婆さんの歩みにあわせて歩きました。盲導犬と歩いた方がよっぽど安全に早く歩けるんですよ。おかげで予定していた電車にはきっちり乗り遅れてしまいました。ボランティアや手助けは「過ぎてはいけませんね」。
私と盲導犬が歩いていると、人の視線は下からゆっくり上がって来るのです。
まずわんちゃんに注目です。そうして徐々に目が上がってきて最後に私の顔です。
まあ私達は外出する時に、顔はさほど気にしなくても良いかも!
私たち視覚障害者も、見えないなりの楽しみ方をしています。この「なりの」というのがミソです。けっこう楽しんでいます。
多少脚色してしまったかもしれませんが、おおよそこうした内容でした。
笑いの中にも頷けることがいくつもあり、また一般の人にも知らせる事柄が多く含まれていて、やはり実行力から来る力は大きいとまたまた感じさせられました。