尾道でも風光明媚として知られる千光寺へ向かう。かなりきつい坂道。それでも下りよりは昇りの方が良い。下りは1歩間違えば転げ落ちそうな不安にとらわれるし、膝のダメージも大きい。やはり昔の古傷のせいもあるのだろう。
坂道の途中、相撲取りの実際の手形が岩盤に刻まれている。武蔵丸の手形と我が手を比べてみたりする。松の木の根っこが岩を割いて伸びているのにも触れる。この坂道は、「こんな坂道も宅配します。」という黒猫ヤマトのテレビの宣伝にも使われているという。ちょうど、その車がよいしょと昇って来る。
やれやれ登り切ったところは心地よい風が吹き、やや霞のかかった空のようだが瀬戸内の風景が見事に広がっているようだ。ここの除夜の鐘も有名らしい。
乗車すれば3分で下山するというケーブルカーに犬たちも一緒に乗り込む。
降りると、そこは妙宣寺。お庭にゴザを広げてもらって炎天下、尾道ならではの名物をいただく。まずは尾道ラーメン、すすっているときは辛からず、油のしつこさなく美味し
くいただく。残った汁をみるとけっこう濃厚そうな感じ。次に、干し柿のような形をした蒲鉾(名前を忘れてしまった)。そして、卵アイスクリーム。しつこさがなく比較的あっさりとした口触り。舌で味わう観光も満足!
本堂に上がり、ご講話を拝聴した後、ここの住職さんの趣味であるという篠笛の演奏を聴かせてもらう。リクエストにでた「千の風」も譜面無しで上手に吹かれる。宗教家によっては、この歌には肯定的でないようなことも何処かで聞いたが、ここでは全くそうした雰囲気はなかった。
この後、盲導犬ユーザーのお一人のNさんのお話。「私は何処へでも出かけるようにしています。最初は自分の住んでいるご町内。それから在住の市、そして県と。そうする中で多少の関わりからでもお知り合いが増えて来る。そして全国へ。日本の周囲は海なのだから、何処へ行っても、それ以上迷ってしまうことはない。といったエネルギッシュな話をされる。とてもじゃないが私などにはできぬパワーである。
座敷に上がっている間、盲導犬たちは協会の職員に見てもらっていたのだが、靴を履いて降りていくと一斉に持ち主向かって飛び込んで来る。
午前中に歩いた坂道のダメージを人間も犬も感じながら駅までの最後の力を使っての歩きとなる。万歩計は1万歩に近い。
十分に体感で尾道を感じた二日間。受け止めてくださった皆さんありがとう!
参加した者は心地よい疲労感を感じながら、それぞれの帰途についた。
盲導犬もお疲れ様でした。
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