2014年07月15日

利尻・礼文への盲導犬とのツアー旅行 (その2)

    「盲導犬ユーザーに対する配慮」

宗谷の岬ではハマナスの花に触れてみる。思っていたよりは小さな花弁で細やかなところまでは触察するのは難しく、ならば、何時も旅行で楽しみにしているソフトクリームで食察してみる。ほんわか北端で味わうバラの香りが漂ってくる。
観光バスに乗り込む前、「盲導犬のためには、どの席が良いですか?」と添乗員のTさんから訪ねてくれる。「一番後ろがゆっくりしていそうなので」と、自由席になってもいる最後尾の席に座る。それでも、そうそうゆったり盲導犬が寝そべれるだけのスペースはない。揺れも前の席よりはそれなりに強い。
窓外には、あちこち「最北端の」の表示が見られるとか。大きな風力発電機が何機も並んでいるようだ。

稚内港に付く。礼文島へのフェリーに100分程乗ることになる。ツアー客はカーペット敷きの部屋で適当に寝そべって時間を送ることになるのだという。ここでもTさんが「別料金にはなりますが、椅子席のあるラウンジがあります。どうされますか?」と訪ねてくれる。「それならラウンジで」と即座に決める。Tさんに同行してもらってチケットを買いに行く途中、急におっくん立ち止まる。「えっ!ここで大便でも催したか?」とかなりあせる。数日前から日に2回の排便ペースで来ているのでありえないことではないが、通常外出先の道路上で催すことはこれまでにはなかった。それでも、早朝から出かけ、幾つも乗り物に乗ってきた今!急いでハーネスに取り付けてあるバックの中から排泄用のベルトと袋を引っ張り出して、「ちょっと待ってよ!」と声をかけながら尻尾に袋を括り付ける。その直後おっくんは口から胃液のようなものを吐き出す。やはりバスの振動がこたえたのか?あるいは、朝早くフードを食べて、通常なら夕食のフードを食べる時間に近づいたことから胃液がでたものか?しかし、その後は通常の状態になってほっとする。

フェリーに乗船、ラウンジ席に上がると、まだ誰も他には乗客はいないようだ。担当職員が「何所でも好きな処へ座ってください」と、ここでも犬がダウンしやすいように気を使ってくれる。そして、ならばと座った席の番号は、「マルマル番を売らないように」と、チケット売り場に無線で連絡を入れてくれている。
出港とともに、「流氷とけて春風吹いて」とダ・カーポの宗谷岬の歌が船内に流れる。おっくんは、今度はゆったりした足元でリラックスしたふうに横向けに寝そべる。トイレに立つとやはり船ドクトクの揺れを感じるが椅子に座っているとバスに揺られているよりはるかに静かで、この分ならおっくんもほっとできるのではなかろうか。

利尻に近づくと、今度は利尻島の歌なるものが聞こえてくる。ICレコーダーもバックに入れておいたので、記念のためにと録音ボタンを押すがあまり良い録音はできなかった。
利尻の桟橋を降りると風の勢い・冷たさが違う。朝、家を出たときは半袖姿であったが、長袖の上着をはおる。

 今夜の宿舎は雲丹を食べさせることで有名だという。割り振られた部屋に入ると、まず気になるのがトイレやふろのスペース。これは、犬のトイレをさせる場合にも、そして、私が大きな風呂場を使えないことから自室で入浴したいという思いからも重要なポイントであるが、残念ながら何れの点からも厳しい状況。
ただ、部屋を出て真向いの所に非常口があり、そこを出ると広いベランダのような空間があって、ここなら袋をつけて排泄をさせるには十分なスペース。

これまでのツアー旅行でもそうであったが、私が視覚障がい者であることを配慮して避難をしやすい場所を部屋割りとして当ててもらっていることを感じている。


posted by よろてん at 11:44| 京都 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして!
大学で福祉について勉強をしていて、盲導犬に関心を持っている、田中と申します。

盲導犬について調べているうちに御サイトにたどり着いたのですが、いくつか質問させていただいてもよろしいでしょうか…

突然のお願いで恐縮ですが、是非ともよろしくお願いいたします。
Posted by たなか at 2014年07月21日 18:41
はじめまして!
大学で福祉について勉強をしていて、盲導犬に関心を持っている、田中と申します。

盲導犬について調べているうちに御サイトにたどり着いたのですが、盲導犬についていくつか質問させていただいてもよろしいでしょうか…

突然のお願いで恐縮ですが、是非ともよろしくお願いいたします。
Posted by たなか at 2014年07月21日 18:43
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