視覚障がい者にとって「行動」と「文字の読み書き」が課題となっている。
今日、視覚障がい者の中で点字を使う割合は減ってきているとはいえ、見えない者にとって点字は貴重な文字である。
見える者・見えない者が共存して生きていく中にあって、見える者にとっても「点字」は記号でなく文字であることを認識してもらいたいとの思いと、当会「おこしやす京都」活動では、入洛する視覚障がい依頼者から協力金を受け取っているが、その領収書を出すさい、協力者名を点字でも書くようにしている。
しかし、アイヘルパーの中に点字を知っているものがほとんどなく、また、点字で名前を書く必要性を感じていない者が多い。
この現状から1歩でも踏み出せたら!との思いもあって取り入れることにした。
限られた時間の中で少しでも興味をもってもらえたら!
取りあえず、50音表を配り、「点字はローマ字のように母音と子音から組み立てられているので50音そのものを覚えるのは容易で面白い。ただ、かな書きであることから分かち書きとなっている。」と簡単に説明した後、
6人一組となってもらって、「貴方は1の点・貴方は6の点」というように役割分担を作り、それでは、「か」とか「め」などと声をかけて点に該当している人に立ってもらうようにした。自らが動くことで多少でも興味を持ってもらえたろうか。
その日の宿題として、50音表を見ながら自分の氏名と、「これは初めての点訳です」という文節としりとりを●で書いてきてもらうことにした。
レポートの中には、
私にとって初めての点字”経験。小さいころに初めてひらがなを習ったときのことを思い出しました。不謹慎かも知れませんが、楽しく遊ばせて頂きました。でも、点字を覚えることは、とてもむつかしそうです。
点字を習う事が出来てまた新しい発見ができました。すぐ忘れる悪いくせもありますが、まったく知らない世界を見れた様で良かっです。
などの感想があった。
受講者の中で点字を少し知っておられる方がおられ、次の講座のさい自主的に缶ビールや瓶詰めの食品に点字表示があることを仲間の受講者に見てもらおうと持参してくださった。
一人でも多くの人に知ってもらおうと、そして、仲間意識を高めるにも、嬉しい心遣いだった。