その後、京都にも視覚障害者が主催する乗馬体験の催しができたと聞いていたが、今日まで気になりつつも参加するにいたらなかった。
ユニーズのアイヘルパー登録者の中に、このふれ愛乗馬クラブの役員をしている人があって「一度来てみませんか!」と誘ってくださった。ちょうど日程も都合が良く出かけてみることにした。
日高ではユニスが馬にかなり反応して私が乗馬を体験している間、ユニスは事務所内に預かってもらったものである。
さて、今回はどうだろう?そのことがちょっと気になっていた。
40名近くを乗せた観光バスは宇治の山奥へ、見ているとはらはらするくらいの細い道路なのだろう運転手の鮮やかなハンドル裁きにときとして拍手!
カシオピアライディングパークに昼前到着。大学の馬術部の学生も幾人かサポートに参加している。多少身体的に障害の有る人、引きこもりの人、子供たちも数人いる。
年に6・7回催されているようだが、準備から当日の運営まで、多方面の人達が集まって支えてくださっている様子を間近にみる。
屋根のある馬場でそこを2周するとのこと。まずは子供たちから。通常の大きさの馬とポニーのような小ぶりの馬2頭が待っていてくれたが、子供達もどちらかというと大きな馬に乗りたがるという。
乗馬するさいにはチャップス(ライフジャケットのようなもので上腕まで保護しているもの)を身に付け頭にヘルメットをくくりつける。
さて順番が回ってきたようだ。
ユニスは当初の心配は何処へやら!僕は馬には興味ありません!という雰囲気で横を向いて伏せている。「待っててや、ウエイト!」と声をかけ誘導されて馬の傍に行く。
ビール瓶で作った足代を踏んで、足の置き場を誘導されながら馬にまたがる。何となく以前の感覚とは座り心地が違う。手にする支えもひも状のもので前の固定されたようなものとは違う。
馬を引く人の他に両サイドにサポートしてくださる人が立って出発。
馬が1歩踏み出した時に心の中ではどきりとした。なにか「がくん・がくん」と歩く感じ。馬の肩が前足を出すたびに少し下がるような感じがする。
今日、ユニスが馬に反応するかどうかの心配の他に、自らの身体的不安も若干あった。「転倒などすれば重度な全身麻痺を来すので気をつけるように!」と整形受診で言われている。まさに頸がネックなのだ。
がくん!と馬が1歩踏み出した時、それまでの晴れた気分に雲が忍び寄る。
日高で馬に乗ったとき、その高さにまず感動した。そしてサラブレッドの凛とりりしい雰囲気を感じ取ったものだ。自分も一国の王将になった気分で胸を張ったものである。
しかし、今回の場合は「落馬でもしたら大変!」という思いが先行する。それでも左右に同行してくれる人達と言葉を交わしながらバランスを取ることに気をやる。「姿勢良いですよ」と言われて「そうですか」と返したものの、手に握った綱を放して4年前のように「V」サインする余裕はなかった。
無事地上に降りて馬の首筋を「ありがとう」と撫でたが、何処かほっとした気分だけが残った。
「2周回るところを1周しかしなかった」と家人から聞くが自分では1周なのか2周したのか全く分からないし今回の場合はそれを確認するだけの余裕もなかったのだろう。
元の座席へもどってくるとえらくユニスが喜んでくれた。
ベストコンディションにして来年またここへ来られることを楽しみにしておこう。
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