点字はあくまで窓口であって参加した人たちに知って欲しいのは視覚障害者をはじめとする「障害」のこと。せめて2時間の内の1時間は視覚障害者全般に渡る話題を取り上げる時間として使いたい!
だが、点字学習が進めば進むほど、その学習に対する好奇心はますます増し、めいっぱいそれに時間を取られてしまう。
また、点訳のルールがときとして変わることがある。そうなると、余計に学習にかける時間が増える。
こちらは何とか話題提供の時間を持とうとするが、なかなかその隙を与えてくれない。
やっぱり晴眼者のボランティアというのは私が考えるボランティア感とは違うのだ!と古手のメンバーに、その頃よく愚痴ったものである。
それでも、しばらくして中途失明者のTさんが例会に加わり彼女の体験談などを話してもらう時間などを設ける中で、多少はそうした目的を果たせる時間枠を作れるようになってきた。
この機会を逃してはと、毎月1回「ゲストコーナー」というのを企画し、関係者を例会に招き(といっても無料で)、お話を伺うことにした。
まずは、ライトハウスの各部署から職員に出向いてもらうことから始まり、福祉機器を扱う業者、障害福祉課の職員、聴覚障害ボランティア、盲導犬や車椅子使用者など。我々が声かけの及ぶ範囲でいろんな人からお話を聞くことができた。
このコーナー、1時間はゲストにお話してもらって、後の1時間を質疑応答に当てたが、会が進むにしたがって会員の意識も高まり、質問の中にもかなり辛辣な、的を得すぎるのではないかと私が感じてしまうような場面さえあった。
しかし、教室に出向いて来るメンバーの目的は、やはり「点字を覚えたい」「点訳活動がしたい」という思いであって、それをいくら「目的はそうでは無い」とこちらで談じたところで、「そうそう洗脳されるものではありませんよ」とベテランボランティアから言われたものである。