そんな話をし終えて、ユニスを伴って会場の近くの喫茶店へ立ち寄った。
店に入ると、従業員が立ちふさがって「犬はお断りしています」という。「盲導犬ですよ」 「分かっていますが、犬はだめなんです」、「補助犬法というのを知ってます?」 「いや、よく分かりませんが、とにかくだめなんです」、貴方は店長ですか、責任者に尋ねてください」「今ちょっといませんが」、「入店拒否するということは法律違反をするということにもなりますよ、とにかく責任者に尋ねてください」、「分かりました」、と従業員は中へ。店長は外出しているらしく電話でもかけたようだ。「すみません、やっぱり入ってもらえないといっています」。こうなると何ともしがたい。「じゃあ関係すじに連絡をしますからお店の名刺をください」、もう一人の従業員も現れる。「今、名刺を切らしているのです」「それなら、お店の名前と連絡先、店長と貴方の名前を書いてください」と求める。ここまで言えるのはやはり補助犬法というのがバックにあってこそで、最初に対応した彼はメールアドレスや電話番号を含めきちんと書いて渡してくれる。
踵を返して店を出ると、ちょうど店へ戻ってきた大柄な店長と出くわす。「行政に拒否したことは連絡しますのでね」「どうぞ、食品衛生法があって犬は入れられません」とはっきり言い切る。
この店に入るとき、なにやら「拒否するかも」という悪い予感がしていた。こうした予感は他の場面でも割とあり、不運にもかなり当たる。
店長の言い切り方にかなりダメージを受ける。これは電話やメールのやり取りでは解決しそうにない。
盲導犬協会の公報担当に店に出向いて説明してもらうよう連絡する。結果は、最初、強く拒否していた店長も、補助犬法の趣旨が理解できたらしく今後は受け入れると言ったという報告をもらう。
飲食店に対する補助犬法を含む啓発活動を行政や盲導犬協会に一層望むところである。
盲導犬を拒むということは視覚障害者を受け入れないということになることを身をもって実感する。
点字メニューの活動を通しても、「選ぶ楽しさ」のためにメニューを設置するというレベル以前に、「点字メニュー」をおけば視覚障害者が来る。見えない人が来店するということは何かと手間をとったり危険な場面がありはしないか。願わくば、そうした人に来店して欲しくない、というニュアンスが見え隠れすることがある。
世の中、まだまだノーマルの人のみを基準として、その他の人は排除したいという根強い深層が蔓延っている。
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