2022年03月19日

京都でもオンラインによる対面朗読始まる


京都でもオンラインによる対面朗読始まる
 私は、3年前から地元の図書館で対面朗読サービスを利用している。
 この対面朗読とは、朗読者が「目の代わり」となって指定された資料を読むサ
ービスで、読み手はボランティア。点字資料や録音資料に訳されていない資料を
即座に利用できるという利点がある。
 図書館に利用を申し出たときは、初めての取り組みでもあり、視覚障がい者に
どのように接したら良いか分からず職員の方は戸惑われたことだろう。
しかし、盲導犬と一緒に来館を重ね、時間の経過とともに、スタッフの方々から
「○○です。お部屋まで誘導します」とさりげなく声をかけられ、腕をかしても
らえるようになってきた。
 地域の図書館でサービスを利用する目的は、もちろん情報を得ることもあるが、
読み手をしてくださる方、職員、そして、図書館を利用しておられる人たちに視
覚障がい者や盲導犬について自然な形で知り理解してもらえるのではないかと考
えたからである。
 実際に読み手として関わってくださった方からは、「わざわざライトハウス
(視覚障がい者施設)まで足を運ばなくても、生活圏の中で日常の時間枠の中に
導入して関われるし、日ごろは読まないジャンルの本を読める機会にもなって」
と受け入れてもらっている。
 昨秋、職員に「オンラインでこうした対面朗読がしてもらえたら一人で外出の
難しい人もサービスが受けられて良いだろうなあ」とつぶやいたものである。そ
のことが強い要望と聞こえてしまったのかどうかは定かでないが、数週間後、館
長から「朗報があります。新春からオンラインによる対面朗読が始まります」と
伝えられ、一瞬「えっ!?」とあまりの速さにびっくり!これまでいろんな場面
で関係者に、視覚障がい者当事者としての思いを語り、具体的な提案もしてきた。
しかし、その多くは実現せぬままに消えてしまっている。それだけに驚きと感激!
 年が変わり、早速オンライン対面朗読を申し込んだ。zoomを使って2時間。読
み手の方には中央図書館まで出向いてもらう必要があるが、私の方は自室のパソ
コンの前でサービスを受けることができる。
 今回、私がお願いしたのは、学習中の囲碁の参考書。図書館の蔵書の中から5
冊を準備してもらって、書店で立ち読みするように1冊ずつそれぞれの概要を読
んでもらい、点字書として使いたいもの、対面朗読の中で対処していくものなど、
自分の必要度に合わせて決めることができる。こうしたことは今までできなかっ
たことだ。
 近年、サピエ(視覚障害者及び視覚による表現の認識に障害のある者に対して
点字、デイジーデータによって暮らしに密着した地域・生活情報などさまざまな
情報を提供するネットワーク)などを使って、以前には考えられないほどの大量
そしてタイムリーな情報が提供されるようになってきたが、法律やインターネッ
ト、各種の趣味など専門的なものについては、少数者の利用ということもあって
訳されていないものもある。
 今回、囲碁の参考書を読んでもらうことになった方も全く囲碁の知識はない方。
予め少し出て来そうな言葉については調べておいてくださったとのこと。専門的
な内容になればなるほど、読み手にとっては大変さも増してくるだろう。将来、
図書館の蔵書を使って専門的な知識を求める利用者が増えて来るとしたら、そう
したニーズに対応できる読み手が現れるよう。今後のボランティアの在り方につ
いて図書館としても考えてもらえたらと願っている。


posted by よろてん at 14:04| 京都 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月26日

盲導犬の役割として視覚障がい者が求めるもの (5) 犬を通して知ることから理解を


盲導犬の役割として視覚障がい者が求めるもの (5)

犬を通して知ることから理解を

 白杖を所持していても、街中・バス停・待合場所などで一般市民から声をかけ
られることはあまりない。その点、盲導犬と一緒にいると、多くは犬の話題を通
してではあるが話しかけられることがしばしばある。時と場合、ご近所や会合な
どで顔合わせのある人など、その関わり方によって、盲導犬そのものの話題で終
わることもあるが、できるだけ盲導犬の使用者である視覚障がい者の実情などを
知ってもらえるような話題作りに心掛けている。
 盲導犬啓発活動の一つの事例として、歩道に乗り上げて放置されている車があ
る。盲導犬は犬と使用者二人分の幅がないときには、通れないことを見極めてそ
の障害物を避けようとして車道へいったん出てからまた歩道へ戻るようにする。
ここまでの説明で終わると、その内容を聞いた人たちは、「何と盲導犬は賢いな
あ」ということで終わってしまいがちである。
 このとき、犬も視覚障がい者も危険な場所へ出なければならない状況を作った
のは誰!という問いかけをすることで、自らのこととしても引き寄せて考えても
らえるような、そうした場になればと願っている。

 盲導犬が視覚障がい者と一緒に歩き・生活するためには、多くのボランティア
の皆さんが関わってくださっている。
 しかし残念ながら、それらのボランティアさんと使用者である視覚障がい者と
の接点は少ない。それぞれの犬には個々の生活歴があり、飼い主が変わっても過
去の生き方について情報を提供しあっていくことは必要ではないかと考える。盲
導犬事業運営者が双方の連絡を取り合うことに消極的なのはそれなりの理由もあ
るだろう。しかし、そのリスクよりもせっかく盲導犬のボランティアを志してく
ださった人たちには、より積極的に視覚障がい者のことを知ってもらえるチャン
スを提供してもらいたい。
 一定の知識をもってもらえることで視覚障がい者と生活する犬との関わり方は
どうすれば良いか?犬とのかかわりを外れても視覚障がい者へのサポートの在り
方など、いろいろ知ってもらうことができるだろう。
環境のゆるすかぎり、盲導犬を介して、情報を共有しあえる場を提供していける
よう事業者には働きかけていってもらいたい。
posted by よろてん at 09:10| 京都 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

盲導犬の役割として視覚障がい者が求めるもの (4) 目の代わり


盲導犬の役割として視覚障がい者が求めるもの (4)

目の代わり

  バス停やポストなど「面」上に有るものを探すのも盲導犬にとっては大切な
作業だが、視覚障がい者としてやって欲しいことがある。それは落とした物を拾
って見えない者に渡してもらうこと。

 盲導犬と一緒に歩くとき、できるだけ左の道端によって歩くようにしている。
一定の高さまでの障害物については犬が避けてくれるが、路上駐車している大型
の車のミラーや垣根越しに突き出した枝葉までは目が届かず、ようしゃなく顔面
を直撃する。それで外出時は前つばのしっかりした帽子と眼鏡を着用するように
している。ところがうっかり木の枝に眼鏡がひっかかり路上に飛んでしまったり、
犬のブラッシング中にブラシがうっかり手から離れてしまったことや、囲碁をや
っていて碁石が床に転がってしまったことなど、そのつど「拾う」ということの
難儀さを思い知らされる。
 「目の代わり」として盲導犬に「拾う」という作業を習得してもらえたらどん
なに助かるか!聴覚や下肢の障害のある者への介助犬が活躍しているが、視覚障
がい者にとっても介助犬的な役割を果たすことで盲導犬の存在はなおのこと高ま
るだろう。
 共同訓練の中で、この作業ができるよう訓練士に申し出たことはある。うまく
できそうな気配もあったが、結果として実用化にはいたっていない。
 この「拾う」というプロセスの中で、見逃してはいけないことは、単に拾うと
いうことで終わらず、その目的物を視覚障がい者の掌の上に乗せるということが
重要である。同様に、「カム!」と呼び寄せたとき、視覚障がい者の身体にしっ
かり触れるように接近すること。近くまできていても、そのあたりをうろうろし
ているだけでは来たことに気づかず何度も呼ぶようなことにもなる。「近くにい
る」という距離感ではなく「触覚」による確認が必要。

 盲導犬になる犬には子犬のうちから視覚障がい者への関わり方を日常の中で学
習させておいてもらいたい。呼んだら体当たりするくらいに接してくる。ボール
遊びなどしたときも、必ず手元にもってくる。こうした楽しみながら学習したこ
とがその後の視覚障がい者との生活の中で生かされてくる。
 移動のサポートプラス「目を提供する視覚障がい者介助犬」としてグレードア
ップすることで、使用者が増えていくことを期待している。
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2021年11月18日

盲導犬の役割として視覚障がい者が求めるもの (2)  面・線・点

盲導犬の役割として視覚障がい者が求めるもの (2)

面・線・点

 晴眼者が「目」からの情報として得るものが「面」であるならば視覚障がい者
が得る情報は「線」であり「点」である。周辺を把握するために耳から得る情報
はある意味「面」ともいえるが、移動においての最終確認は「線と点」である。

 盲導犬の仕事は、側面にそって歩くこと(線)、曲がり角や段差のチェック
(点)、障害物の回避(点)の三つが基本であろう。
 この3点が確実にクリアできれば頭の地図を使えば概ね何処へでも行けると言
っても過言ではないかもしれない。

 5頭の盲導犬との共同訓練を通して感じたことは、「寄り」(線) 「コーナ
ーチェック」(点)の課題を5頭の犬それぞれに一定の条件下では見事にクリア
して「グッド」なのだが、共同訓練を終えて、さてユーザーとの歩行が始まると
環境の変化や指示するタイミングなどもあろうが、その動きがアバウトになって
しまうのも全ての犬について感じている。
 道路沿いに歩いているつもりでも、駐車などがあって、それを避けようと道路
の中央へ出て、そのまま道の真ん中を歩いていたり、角・辻があっても、そこで
止まらず素通りしてしまうことがある。こうなると頭の地図は役立たず、「面」
の状態の中に放り出されてしまったようなもので周囲との距離感覚が分からなく
なり、どの方向を向いているのかも定かでなくなる。早朝の散歩では道路を通る
車量も少なく朝日もまだうっすらとしているようなときなど、耳からの情報や日
差しを感じる触覚などが働かず迷ってしまうことになり、音声方位系(1万円以
上する)のようなものを手掛かりとしなければならなくなる。
 盲導犬は「目の代わり」をしてくれる存在である。しかし、犬自身は、何時も
寄り添っている人が「目の不自由な人」と認識している分けではなかろう。様々
な行動の中で、こうしたときはこのようにすれば褒めてもらえるとか、こんなこ
とをしたら叱られる、という経験の積み重ねが盲導犬としての動きとなっている
のだろう。
 基本中の基本練習。「線」で確実に傍らに寄る、「点」角・辻のチェック。そ
して、「ストレート」真っすぐ渡り切る、十字路やY字路に差し掛かったところ
では、しっかり止まり、「レフト・ゴー」左へ曲がるあるいは左の方の道を行く、
「ライト・ゴー」右へ行く。これらの指示を受けてできうるかぎり正確に言われ
た方向に足を向ける。
新パートナーと歩き始めてしばらくは、訓練を受けた環境でないこともあって、
犬によって差はあるが、ユーザーとしてはかなり苦労する。慣れてくれば、その
犬の得意・不得意も何となく分かってきて対処するが、知らぬ間に歩道から車道
へ出てしまっているなど後から振り返るとひやりとすることもある。
 諸事情もあって難しい点はあろうが、盲導犬になる犬全てに統一してトレーニ
ングすべきは前述の基本。その基本も多様なバリエーションを取り入れてどのユ
ーザーにとっても使用しやすいレベルを目指す。そのためにはトレーニングの半
分くらいは費やしてもらわねばならないだろう。
posted by よろてん at 15:39| 京都 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

盲導犬の役割として視覚障がい者が求めるもの (3)   視覚障がい者個々それぞれのニーズにそった対応を 


盲導犬の役割として視覚障がい者が求めるもの (3)

視覚障がい者個々それぞれのニーズにそった対応を

 視覚障がい者といっても見え方・生活のパ ターンなどから盲導犬使用者と
してのニーズも様々である。
 5回の共同訓練を終え実際に37年間、盲導犬との行動を通して感じたこと。
以下は、今後のトレーニングの在り方についての私見である。

 基本トレーニング(線と点)が終わった段階で、候補ユーザーとなるべき視覚
障がい者とのペアを設定し、その視覚障がい者の生活・行動基盤に基づいたプラ
ンをユーザー・担当訓練士間で計画し、まずは担当訓練士の下、盲導犬に一定程
度の学習をさせた上で、その目的を達成できそうなことを踏まえた上で、ユーザ
ーとなるべき視覚障がい者との共同訓練を開始。各項目についてユーザー・盲導
犬ペアにおいて各項目がクリアできたかを確認して、全てをクリアできた段階で
最終ゴールとする。
 この工程は、「与えられる犬」から「コンシューマー」(使い手モデル)の考
えである。

 私のばあいは、横断歩道を渡るときは原則として点字ブロック(点ブロック)
の上に立ちたい。以前横断歩道の白線を目安にトレーニングされた犬と訓練に入
って、犬は横断歩道をチェックしていてもブロック状でなかったので横断歩道を
見過ごしたということがあった。在住地域によって必ずしもブロックが何処にも
敷設されていないところもあり、白線を目安としたチェックを求めるユーザーも
出て来るかもしれない。エレベータを使うユーザーもあろうが私の場合は見える
同行者がいない場合はエレベータを使わず階段やエスカレーターを使う。駅の改
札口を通るときも私の場合は、身障手帳を有人改札口で見せるが、ICカードを使
っている人の場合は、その改札口へ誘導することを求めるだろう。
 犬にとっても基本学習の中で将来使わないであろうテーマを一定時間教え込ま
れるよりも必須であるべきテーマに重点をおいて教えてもらった方が効果的であ
る。途中で違う事柄を導入されることで混乱するケースは多く体験してきたとこ
ろである。
 盲導犬歩行において、「寄る」 「止まる」 「方向を変える」という動的な
要素の他に、盲導犬には「目の提供」も期待している。
 点字ブロックや改札口・エスカレーターの場所などへの誘導。電車・バスなど
に乗車したさいの空席チェックなど。これらは身近におられる人の声掛けがあれ
ば解決することではあるが。

 訓練を終えてユーザー(視覚障がい者)が盲導犬とともに生活圏で行動し始め
たとき、不慣れからくる細かなトラブルはいろいろ生じてくる。慣れるまでは安
心とまではいかぬまでも安全を確保できることは必須である。そのためにも盲導
犬に託せることとユーザーがしっかり管理していくべきことを見極めていかねば
ならない。
posted by よろてん at 15:32| 京都 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

盲導犬の役割として視覚障がい者が求めるもの (1)  触地図の効果


盲導犬の役割として視覚障がい者が求めるもの (1)

 私はあと数年で80歳の大台にのる。
 ここまで4頭の盲導犬と37年間歩いてきた。4頭目の盲導犬も10歳の定年を迎え
ることになった。さてこれからどうするか?今後、何時どのような環境の変化が
生じて盲導犬との生活が困難になることも考えられる。
 そうしたことも踏まえて盲導犬協会に、5頭目の盲導犬貸与について相談した。
結果、ユーザーとして犬を管理できる間は貸与するということになり、それこそ
最後の盲導犬との再出発となった。
 新パートナーの盲導犬は体重22s。これまでの4頭が30kg前後あったこと
からすると二回りほど小さい。盲導犬はユーザーの半分くらいの体重がないと何
らかの事情で踏みとどまらねばならないときのブレーキ役になれないと言われて
きた。ところが最近の盲導犬は総じて小さくなってきているという。乗り物や飲
食店を使うとき、足元に伏せさせておくには小さな方が良いが、実際に行動して
みたらどうだろうか?そうした課題もかかえながら、盲導犬・ユーザーそして盲
導犬歩行訓練士との共同訓練に入った。

触地図の効果
  私がまず訓練士にお願いしたのが触地図である。
日常的に盲導犬と一緒に散歩として使っているルートが7・8箇所ある。歩数で
いえば
4000から8000歩くらい。これらのルートを共同訓練の実施場所とするにあたり、
自分の頭の中にある地図を今一度確認しておくことにした。慣れた盲導犬との移
動では常にユーザーが支持しなくても経験的に盲導犬が「連れていく」というこ
とがある。本来はユーザーの支持にしたがって歩くのが盲導犬歩行。
 触地図というのは、鉄道・バス通り・枝道・川や駅などを指先で触って分かる
よう点や線をザラツキなども変えて作成する。距離感や曲がり具合などをより正
確に表現する。
 幾つかの工程を経て作成してもらったものを見せてもらって感激と驚き!
 これまで真っすぐ歩いていたように思っていたところがかなり曲がっていたり、
横断歩道の白線が引いていなかったところを平気で渡っていたり。全体的な配置
がよく分かる。
 事前に情報を得ておくことで、どのポイントで盲導犬に支持を出したり、より
慎重に歩かねばならない箇所などが確認できる。また、訓練を終えてから触地図
を見ながら具体的に反省点を振り返ることもできた。
 作成は大変な労力であったろう。関わってくださった人たちへ感謝!
posted by よろてん at 15:05| 京都 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月25日

ツアーへ申し込んだ盲導犬ユーザーの一コマ

ツアーへ申し込んだ盲導犬ユーザーの一コマ

 地元の新聞社のツアー旅行の案内があり、それに申し込んだ。
先方が受け付けたので、「盲導犬も一緒」と告げると、案の定「ホテルに問い合
わせてみますので」と、その返答を待つことになる。
その回答は、「ツアー客とは別に離れに泊まってもらうことになります」という。
「盲導犬と一緒だと、どうして皆と一緒の所に泊まれないのか、その理由を聞か
せてほしい」と問うと、盲導犬のことは分かっていますが、そのホテルでは、盲
導犬もペットも離れだと一緒にお風呂にも入ってもらえます」と、驚くべき答え
が返ってきた。
 ペットと一緒にお風呂に入りたいという人もあるのだろう。しかし、わが盲導
犬は視覚障がい者の歩行手段のサポートとして社会に認知されているものであり、
風呂に一緒に入るというようなことは考えたこともない。
 盲導犬とペットを同一化していることが、このことからもみてとれる。
そして、最初に「離れで」といったさいには「レベルが高いので金額も上がりま
す」とまで付け加えていた。ここまで言われると、「それならやめておきます」
という人が多いのだろう。

 別のツアーを使い始めたときも、同じような対応をされた。しかし、同ツアー
を一度使ってみて、添乗員にもしっかり知り、理解してもらってからは、会社の
方で関係施設に「問題ありません」と説得?してくれて、何ら問題なくツアーを
楽しんでいる。

 今回の場合、「一緒にお風呂にも入ってもらえますので」という好意的な考え
であるのなら、「そういうところもありますが、どうされますか?」と問うてく
るのが順当である。

ツアーの責任者に、盲導犬を使う視覚障がい者を、このような形で離れへはじき
出すのなら、白杖を使っている視覚障がい者にも同じ扱いをするのか?
 車いす使用者が申し込んできたらどうしたのか?
 おそらく、そうした人たちが申し込んでくるなど想定外だったのではないか?
 正確な案内を出すのなら、ツアーで受け止められない人たちのことはお断りと
して申し添えておくのが本筋ではないのか?

 こうしたやり取りは本当に疲れる。「一般」と言われる世間から想定外に押し
やられている者が、「当たり前」に行動しようとしたときに、常に「障壁」が立
ちはだかり、多くの場合、それをあえて超えようとする気力を失ってしまうのだ
ろう。

 このやり取りで、どれほど理解してもらえたかどうかは分からないが、最終的
な回答は、「まったく問題ありません、一般の方と一緒の所で」というものであ
った。

3月半ばのツアーであったが、新型コロナウイルス感染のこともあり、啓発を目
的とした旅行の半分の目的も果たせたことから、今回はキャンセルすることにし
た。
posted by よろてん at 08:47| 京都 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月11日

京都国立近代美術館から、視覚障がい来館者に対する対応についての回答

昨秋、美術館の視覚障がい者に対する関わり方について、問い合わせた回答がい
ただけていないとの内容をこのブログに書いたが、手違いで見ておられなかった
とのことで、改めてご回答をいただいたので紹介する。


当館の現状の対応について、ご回答させていただきます。

現状では、視覚障害のある方がいらっしゃった場合、言葉による作品鑑賞をス
タッフがご一緒するというかたちで対応をさせていただいています。
見えない方が、触ることによって主体的に情報を得ていただけるというのは、
我々もこれまでの取り組みでお会いした視覚障害のある方から教えていただいて

おります。ただ、美術館は作品を保存し後世に同じ状態で伝えていくという使命

も持っている社会施設です。そして当館は、(見える・見えないにかかわらず)

来場者の方がさわって鑑賞することを前提とした作品というものを、これまで、

収蔵したことがありませんでした。
ですが、「誰もが楽しめる美術館にする」という思いのもとで2017年から「感覚

をひらく」というプロジェクトをスタートしまして、イベントという単発の取組

みではありますが、本物の所蔵作品をさわってもらう機会を設け始めました。
その準備の段階で、「安全にさわることができて、触ることでより一層理解が深

まる作品はどれか」という観点から、収蔵品を別の角度からとらえてみるとい
う、新しい視点を学芸課スタッフの間で持つようになってきています。「これは

大丈夫」と学芸課内で判断がなされた作品については、イベントの中で自由にさ

わって体験していただいています。このプロセスを今後も続けていくことで、
触って体験していただける作品が増え、また、そうした作品に対するケアの仕方

や来場者の方のナビゲートの仕方についても、我々のなかでノウハウが徐々に蓄

積されていくものと感じております。
ここからは美術館としてではなく個人的な意見ですが、将来的には、常設的にさ

わることができる作品が展示されていて、要請に応じて専門のスタッフが対応す

るという状況になれば理想的だなと思い、プロジェクトに携わっています。

また音声ガイドについてですが、当館は、企画展と常設展で、5〜10作品につ

いて、音声ガイドを毎回作成しております。文章は当館の学芸スタッフが執筆し

ています。
企画展の場合は、会場内で音声ガイドの機器を有料で貸し出しています。聴覚障

害のある方には、文字に起こしたものをお貸出しできることもございます。
また常設展では、スマートフォンのアプリで「カタログポケット」というものを

導入しており、こちらをダウンロードいただくと会場だけでなくご自宅でも、作

品解説が自動音声でお聞きいただくことができます。ただ、こちらの「カタログ

ポケット」、視覚障害のある方には操作が複雑で難しいようでして、まだまだ改

善の必要があるなと私どもも感じているところです。
また一般的に音声ガイドは、視覚で作品を見ている方にむけて付属的に情報を伝

えるツールという前提のもと、文章が書かれています。そのため「視覚障害のあ

る方が楽しめる音声ガイド」という観点からみれば、不親切で不十分な表現が
多々あるように感じております。見える・見えないにかかわらず楽しめ、想像が

膨らむような、ユニバーサルな音声ガイド、あると良いですね。


ここまで。


心強いご回答をいただいて、今後の取り組みに期待したい。
posted by よろてん at 10:52| 京都 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

バス乗務員へのお願い

年末、以下の内容を地元新分の投稿欄に送信しておいたが、没になったかとあき
らめかけた今日11日に掲載された。


バス乗務員さんへのお願い

 私は盲導犬ユーザーです。犬と一緒にバスに乗降することもしばしばあります
が、先日、バスを降りた所で転倒してしまいました。足を下ろした所が歩道でな
く車道で、急いで歩道へ上がろうとしたときに右足が歩道にひっかかってしまい、
あえなく転んでしまいました。今回は、コートの汚れを払う程度ですみましたが、
打ちどころが悪かったら骨折していたかもしれません。
 日ごろバスに乗車するさいにも、歩道からすんなりバスへ乗り込むことができ
ず、いったん車道へ降りてからバスへ乗り込まねばならないことがあります。
 降車時、乗務員によっては、歩道に寄せられなかったことを伝え、その状況を
説明してくれる人もありますが、そうした断りをする乗務員はほとんどありませ
ん。
 歩道にぴったり寄せて止まってくれるバスから降りるときは救われた気持ちに
さえなります。足腰の弱りつつある高齢者にとっても同様なことがいえるのでは
ないでしょうか。
 低床バスなど物理的な環境は整えられても、実現場で関わる乗務員のソフト面
の対応がなければ真の安全は確保できません。よろしくお願いします。

posted by よろてん at 10:52| 京都 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月24日

タンデム自転車で走ってみませんか!


タンデム自転車で走ってみませんか!?
 タンデム自転車(tandem bicycle)というのをご存じでしょうか?
 今回取り上げる自転車は、前後に並んで乗り同時に駆動する二人乗りのもので
す。前部に乗車する人はキャプテンまたはパイロット、それ以外の後部に乗車す
る人はストーカー(Stoker)またはコパイロット(co-pilot)と呼ばれます。
2人乗りのタンデム自転車は、2人で漕ぐことにより出力が2倍になる一方で空気
抵抗はあまり増えないので、1人乗り自転車と比較して高速での走行が可能とな
ります。

 見えない・見えにくい人はサイクリングを楽しむことはできません。そこで見
えている人が前・視覚障がい者が後ろに乗車して走れるタンデム自転車が各地で
数年前から利用されるようになってきました。

京都でも、ぜひタンデム自転車で楽しめる環境を整えていきたいと考え、201
3年に京都サイクリング協会(KCA)と私の所属するユニーズ京都で話し合い、2
014年に、京都府警に出向き「公道を走れることを京都でも認めて欲しい」と
要望書を提出しました。

同年の5月、宝ヶ池においてタンデム自転車の体験会を実施しました。10数名
の視覚障がい者とパイロットをする晴眼者(見える人)会員が力を合わせて池の
周りを走りました。風をきって走行する爽快感を、初めて感じた人、再び自転車
に乗れたことに感激した人。二人で力を合わせてペダルを漕ぎながら、楽しい会
話も弾みました。

一方で、府警との話し合いはすんなりとは進みませんでした。もとより一般の者
も乗れる自転車であることから乱暴な乗り方をする人も出て来るのではないか?
など、リスクに対する懸念が許可を阻んできました。

しかし、全国10県で公道を走れるようになってきたこともあり、2015年11月、京
都においても公道での走行が認められました。現在では半数を超える府県で走行
が可能となってきています。

京都市障がい者スポーツセンターにおいては以前からKCAの協力も得てタンデム
自転車の体験会を開催してきていましたが、一定の周回路を回るというもので、
公道を走れることができるようになった今、もっとタンデム自転車を通して一般
市民と障害のある者が時間を共有できる場の設定を考えていかないか、と担当職
員に申し出ました。が、その反応は弱く、その後の発展にはいたっていません。

2018年、当初の目標であった京都八幡木津自転車道線(桂川サイクリングロ
ードおよび木津川サイクリングロード)におけるタンデム自転車体験会を実施す
ることができました。KCAの皆さんには10数台のタンデム自転車をスポーツセ
ンターから会場まで運ぶこと、パイロット役も引き受けていただくなどお世話に
なりました。
10kmを自転車で走る体験は応募して来られた視覚障がい者にとっては心地よ
くうれしい一時であったことがその後の感想からも感じ取れます。

翌年には、他府県の視覚障がい者にも呼びかけ、神奈川・静岡からも体験会に参
加する人がありました。

 一定の成果は得られたものの、公道を走れるようになったことを、もっと積極
的に生かしていけたら!公的機関に働きかけてもなかなか具体化しないのが実態
です。

地域の中でタンデム自転車を通して住民と地元の障害のある者が時間を共有し、
理解の輪を広げていけないだろうか?そう私は考えています

自力で考えられることとしては、自らがタンデム自転車を所有し、パイロットを
引き受けてくださる人を募り、その方と日程調整をして、安全確保できるルート
を一緒に楽しみながら、ときには買い物をしたり、新たなポイント地点を探求し
たりする。

 この事例が現実のものになるとすれば、交通事情が不便な所に住んでおられる
人にとっても、楽しみながら、その時々の目的を果たすことも可能になるのでは
なかろうか?

 もとより、実施するにあたっては、クリアしなければならない課題は幾つも現
れてくるでしょう。それらを一つずつ解決していくエネルギーは必要となります。

共感してくださる人を増やし、その人たちの協力もあってこそ実現するものです。

パイロットとして走ってみよう!と手を挙げてくださる人が何名も現れたら、私
もタンデム自転車を買うことも考えようかな!
タンデム自転車2014.05宝ヶ池にて .jpg
posted by よろてん at 10:44| 京都 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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